被相続人の配偶者なら相続税が控除される
相続税を計算する場合、負担する相続人等に応じて算出した税額が加減される事があります。例えば、相続人等が被相続人の一親等以外の者(代襲相続を除く)である場合なら税額が2割加算されますし、未成年者や障害者、配偶者である場合は税額から一定の控除額が差し引かれます。
特に配偶者の税額軽減の特例は、税額の大部分が差し引かれる非常に節税効果の高い特例です。この特例で差し引かれる金額は、相続や遺贈で取得した財産の額が1億6000万円または民法に定められた法定相続分のいずれか高い方の金額となります。
つまり、相続税の基礎控除額(3000万円に法定相続人一人につき600万円を加算した金額)と合わせて考えると、相続した財産が2億円以下であれば税金は掛かりませんし、また相続した財産が2億以上であってもそれが法定相続分であれば税金は掛かりません。
ただし、この特例を適用するには、相続税の申告期限までに財産を分割している必要があります。その為、相続人同士が争って分割が長引いている場合は適用する事はできません。その場合、申告期限後3年以内の分割見込書を申告書に添付して提出し、かつその期間内に財産の分割を終えていれば適用する事ができます。
また、裁判などやむを得ない事情によって期間内に財産の分割が終わらない場合は、その期間を経過する日の翌日から2ヶ月以内にその旨を承認してもらう申請書を提出して承認を受け、かつその事情が解消された日の翌日から4ヵ月以内に財産の分割を終えていれば適用する事ができます。
いずれの場合も、修正申告ではなく更正の請求を行う点に注意して下さい。